(大分合同新聞より掲載  2017.02.03)

県大会3冠を成し遂げた明豊高校男子剣道部

県大会3冠を成し遂げた明豊高校男子剣道部

 別府市の明豊高校男子剣道部が創部1年目で部員は1年生だけながら、県大会3冠の快挙を成し遂げた。県高校剣道界の新鋭として周囲の期待は熱く、全国制覇を合言葉に厳しい稽古に励んでいる。

 同じ学校法人が運営する別府大学剣道部の岩本貴光総監督を指導者に迎え、昨年4月に創部した。岩本総監督は2008年の全国高校総体で日田高男子剣道部を日本一に導いた名将。指導を仰ぎたいと、県内のほか大阪府や茨城県から11人(うち女子は3人)の剣士が集まった。
 創部間もない6月の県高校総体で、決勝リーグ3戦全勝で初優勝し、周囲を驚かせた。練習試合では負けが続いていたが、自主性を重んじる指導方針と密度の濃い稽古が部員たちの自信につながった。続く県高校新人大会でも優勝。1月の全国高校選抜大会県予選で団体優勝し、3月の全国大会出場を決めた。
 「高大連携」という恵まれた環境も強さの秘密。部活動は別府大の道場であり、仲間と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、同大剣道部の稽古にも加わってパワーを付けた。年の離れた大学生たちの背中から精神的にも学ぶことは多いという。稽古で得た課題を自ら解決するため、自主稽古にも励んでいる。
 日田市出身の伊藤勇太朗主将は「自分の可能性を試したいと入部した。重圧をはねのけるだけの人間に成長し、全国一を目指したい」と力強い。
 岩本総監督は「立派な人間性を兼ね備えた日本の剣道界を背負って立つような生徒を育てるのが目標。高大連携という他にはない環境を生かし、目標に向かって努力を重ねてほしい」と話している。